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犬や猫のデンタルホームケア

ワンちゃんの口臭が気になったことはありませんか?

口臭の原因は、歯の表面に付いた細菌が作るガスです。2歳以上の犬や猫の70%以上が歯周炎になっていると言われています。

歯周病をそのままにしておくと最悪の場合、顎の骨が溶けて折れたり(特に小型犬)、心臓や腎臓の機能にも影響を及ぼします。
歯周炎の原因はプラーク中の細菌です。
プラーク(歯垢)とは、食べ物のカスではなく、歯の表面に付いた白色または黄白色のネバネバとした物質のことです。1mgには10億個以上の細菌が存在しています。お口の中にはうんちの約10倍の細菌が…!

プラークと唾液中のカルシウムやリンが石灰化したものが歯石です。ケアをしないままでいると、犬では約3~5日で歯石になります。歯石になってしまうと、歯磨きでは取れません。
無麻酔で歯石を取ってもらった、という話を時々聞きますが、刃物やペンチのようなもので無理に取ると、口の中を傷つけたり歯を折ってしまうことがあります。
ワンちゃんや猫ちゃんは、私たちのように口を開けて我慢できません。取ってあげるにはどうしても全身麻酔下での超音波スケーラーによる処置が必要になります。麻酔に抵抗がある方が多いと思いますので、そうなる前におうちでのケアでプラークから歯石になるのを予防してあげましょう!

歯磨きガムやおもちゃを噛ませているから大丈夫だと思うんだけど…

→いいえ!!

すべてとは言いませんが、ヒヅメやアキレス腱など、噛みきれないもので歯が折れたり食道に詰まるといったことが多く起こります。
犬の歯は人のように噛み砕くのではなく、食べ物を噛み切るようにできているので、ハサミで切れないものは特に注意が必要です。また、気に入った歯でしか噛まないので、きちんと汚れを落とせていません。
飼い主さんが定期的に磨いてあげるしかないのです。

プラークコントロールをしよう

ケアにはいくつかの段階があります。

☆口を閉じる
☆唇をめくる
☆歯を指で触る
☆指にガーゼやシートを巻き、水をつけて歯の表面を軽くこする
☆歯ブラシを使う

1.まずは口を触ることから始めましょう。

口周りを触られることが苦手な子はたくさんいます。いきなり歯磨きにチャレンジするのではなく、まずは口を触ることから始めましょう。
※すでに歯肉が腫れたり出血がある場合は、獣医師にご相談のうえ、ケアしてください。


頭や顔を触る延長で、口周りを触る練習をします。

口が触れたら、次に唇をめくってみましょう。

唇をめくることができたら、歯を指で触ってみます。このとき、少量のハチミツなどを指に付けるとご褒美になり、嫌がりにくくなるかもしれません。

実際にガーゼや歯磨きシートを用いて、歯の表面を軽くこすります。ここまでくれば、デンタルホームケアはほぼ完成です!

※ティッシュペーパーはボロボロになるので、使用しないでください。
※乾いたガーゼを使用すると、歯肉を傷つけてしまうことがあるので、必ず濡らしてください。

歯の表面に付いているネバネバ、つまりプラークを取り除くことがプラークコントロールです。
歯磨きを上手にするポイントは…

  • 最初は短時間で切り上げる。
  • 褒めたり、おやつをあげるなどして、歯磨き=良いことと印象づける。
  • 飼い主さんも無理のない範囲でやる。

できれば毎日やることが理想的ですが、今日は右側、明日は左側と決めたり、週に2~3回などとできる範囲で続けることが大切です。

2.つぎは歯ブラシにチャレンジ!

ここまで嫌がらずにできるようであれば、歯ブラシにチャレンジ!
歯ブラシは小さく、毛先が長くて柔らかいものを選びましょう。唇をめくり、水で濡らした歯ブラシをペン持ちにし、そっと歯に触れてみます。
最初は切歯(前歯)から始めて、同じ歯で小刻みに動かします。慣れてきたら少しずつ奥の歯へ移動していきます。奥歯は歯石が付きやすいので、念入りに磨きたいところですが、かじってしまう可能性が高いので、無理はしないでおきましょう。

歯ブラシを使っての歯磨きができれば、デンタルホームケアのゴールです!ただ、歯ブラシを嫌がる様子があれば、我慢できていたところまで戻り、少しずつ進むようにしましょう。

デンタルホームケアをご希望の方は、遠慮なくご相談ください。
歯科検診や、月一回の歯磨き検診をおすすめします。

歯科処置について

おうちでのケアが難しく、歯石が付いてしまった場合は、全身麻酔下での処置が必要となります。
超音波スケーラーを用いての歯科処置を行っております。

処置前
処置前
歯石ビッシリの歯が…
処置後
処置後
ピカピカに!

全身麻酔での処置ですので、事前に血液検査や全身状態をチェックし、当日は点滴や薬剤による管理で、万全の状態で手術に臨みます。

接触性口内炎

接触性口内炎
重度の歯石が刺激となり、粘膜が反応して歯肉が赤くなり、潰瘍ができてしまいます。
口腔内に痛みが生じるために、食事を嫌がってしまうことがあります。
歯石除去や抜歯の処置が必要となります。

乳歯遺残

乳歯遺残
大きい犬歯の後ろにあるのが乳歯です。
通常は、生後6~7カ月齢までに乳歯が抜けて永久歯に生え変わりますが、この時期を過ぎても乳歯が残っていることを、乳歯遺残といいます。乳歯が残っていると、噛み合わせや歯並びが悪くなったり、永久歯との間に歯石が付きやすくなるので、抜く必要があります。
当院では、避妊・去勢手術と合わせての抜歯をおすすめしております。

ここで紹介した歯のトラブルはほんの一部です。早期発見には毎日のケアが必要です。
お気軽にご相談ください!